ナイト&デイ
最近気づいたそっくりさん:副島隆彦と谷川貞治
新宿駅をでたら、見知らぬ爺が手を振りながら笑いかけてきた。
「鈴木だよ、電気屋!」
(知らんがな)
「顔色がいいねえ」
(誰やねん)
これでも記憶力には自信あるので、こんな爺と顔をあわせた憶えはない。
でも電気屋というのが微妙な線で、家の親父は土建屋なので、こういう労務者風の男と知合いという可能性は高い。いや、だとしても俺とは関係ないはずだ。でもちょっと迷う。
「顔色がいいねえ」と繰り返す。適当に頷き、逃げようとする。
「急ぐの?」とまるでヒマだったら飯でも食おうといいたげな口調で話しかけてくるのだが、じっさい急いでいたのでふりきってしまった。
きっとこの爺は、これと思った人物にいきなりこうやって話しかけ、気後れしてなんとなくつきあってしまった相手を料理屋に連れ込み、たらふく食ったところでトンズラする、オレオレ詐欺の原型みたいなことやってるんだと俺は勝手に想像した。
もしこれが「水道屋の蛸島だよ」といわれたら即座に「あんたなんか知らん」と返されるだろう。「電気屋の鈴木」ときたら、工事関係とか、電気代の徴収や検針人とか、家電販売店とかいろいろあるので、つい「誰だったかな?」と迷ってしまうんじゃないだろうか。
そんなこんなで、トムクルーズとキャメロンディアスの「ナイト&デイ」を。
予告をみたかぎりでは活劇もある恋愛喜劇ってかんじだったけど、そのとおりの内容だった。空港でゆきずりの男とぶつかったばっかりに巨大な陰謀にまきこまれる女。
映像処理でアクションなどいくらでも捏造できる時代だから、もうやれることはやりつくし、あとはパロディにするしかないのではないか、というかんじがする。トムクルーズは他人に尽くし、命を狙われる女と少年をどこまでも守ろうとする心やさしいスパイなのだが、そこを隠し、徹底的に能天気なキャラをとおしていりのが素晴らしい。もう登場するたびに笑ってしまうのだ。キャメロンディアスもまた能天気さでは負けてない。中盤の展開の端折りかたはまるで筒井康隆のドタバタ小説みたいだ。終わり方もいい。「ソルト」より十倍面白かった。
ま、ほんとうはもっと真っ当な活劇が楽しみたいので、「エクスペンダブルズ」に期待。
あの爺もスパイだったのかもしれない。
新宿駅をでたら、見知らぬ爺が手を振りながら笑いかけてきた。
「鈴木だよ、電気屋!」
(知らんがな)
「顔色がいいねえ」
(誰やねん)
これでも記憶力には自信あるので、こんな爺と顔をあわせた憶えはない。
でも電気屋というのが微妙な線で、家の親父は土建屋なので、こういう労務者風の男と知合いという可能性は高い。いや、だとしても俺とは関係ないはずだ。でもちょっと迷う。
「顔色がいいねえ」と繰り返す。適当に頷き、逃げようとする。
「急ぐの?」とまるでヒマだったら飯でも食おうといいたげな口調で話しかけてくるのだが、じっさい急いでいたのでふりきってしまった。
きっとこの爺は、これと思った人物にいきなりこうやって話しかけ、気後れしてなんとなくつきあってしまった相手を料理屋に連れ込み、たらふく食ったところでトンズラする、オレオレ詐欺の原型みたいなことやってるんだと俺は勝手に想像した。
もしこれが「水道屋の蛸島だよ」といわれたら即座に「あんたなんか知らん」と返されるだろう。「電気屋の鈴木」ときたら、工事関係とか、電気代の徴収や検針人とか、家電販売店とかいろいろあるので、つい「誰だったかな?」と迷ってしまうんじゃないだろうか。
そんなこんなで、トムクルーズとキャメロンディアスの「ナイト&デイ」を。
予告をみたかぎりでは活劇もある恋愛喜劇ってかんじだったけど、そのとおりの内容だった。空港でゆきずりの男とぶつかったばっかりに巨大な陰謀にまきこまれる女。
映像処理でアクションなどいくらでも捏造できる時代だから、もうやれることはやりつくし、あとはパロディにするしかないのではないか、というかんじがする。トムクルーズは他人に尽くし、命を狙われる女と少年をどこまでも守ろうとする心やさしいスパイなのだが、そこを隠し、徹底的に能天気なキャラをとおしていりのが素晴らしい。もう登場するたびに笑ってしまうのだ。キャメロンディアスもまた能天気さでは負けてない。中盤の展開の端折りかたはまるで筒井康隆のドタバタ小説みたいだ。終わり方もいい。「ソルト」より十倍面白かった。
ま、ほんとうはもっと真っ当な活劇が楽しみたいので、「エクスペンダブルズ」に期待。
あの爺もスパイだったのかもしれない。
この記事へのコメント
この二人の存在自体がコメディになっているのかも?^^
能天気で爽やかな二人のスターだからこそ成り立った作品でしょうね。
BCさんのブログにあったように、本国ではあまりウケなかったとすると、ああいう爽やかなバカっぽさって、アメリカ人好みではないのですかね? なんとなく、日本人よりアメリカ人のほうが能天気だという思い込みはあるのですが。
この作品はアメリカでは夏に公開されたそうです。
アメリカで受けなかった理由はよくわからないけど、
日本でヒットしたのは公開時期のタイミングが良かったのかも?
例年、秋から冬にかけては時代劇やせつないラブストーリーが多い中、
明るい娯楽活劇は気楽に観る事が出来るのもあるように思います。
あと、「バーダーマインホフ」のDVDついにでましたね。どうかご覧下さい。