007 慰めの報酬
3ヶ月無料定期券をもらうため、新横浜ラーメン博物館へ足を運んだよ。春木屋のつけそばが美味。通常のつけ麺とちがって茹で汁にひたしたままでてくるので、喉越しがつるつるして、つけダレが冷めない。しかしこの施設、健康増進法違反なんじゃないか?
公開迫る「007慰めの報酬」だが、007フリークの私はもう待ちきれず、我慢の限界に達し、先行上映があるときいて矢も盾も堪らず、ポコチン丸出しで劇場へ駆けつけたのだった。
前作「カジノロワイヤル」はシリーズ屈指の傑作といっていいほどだったが、問題が二つあった。ひとつは、白人はアフリカ人をどう扱ってもいいといわんばかりに、爆弾犯だろうが、反政府軍人だろうが、大使館駐在兵だろうが、一般人だろうが殺しまくるアパルトヘイトな姿勢。いまひとつはボンドと将来を誓いあったウェスパーリンドを、どんでん返しのために二重の背信者と設定したことだ。
ウェスパーは恋人を誘拐され、脅迫を受け、ボンドの情報を敵ルシッフルに漏洩する。ルシッフルが死んだあとまた今度はボンドを救うため、背後にある別の巨大な悪の組織に金を渡し、自殺する。しかし、彼女が最後のメッセージとして黒幕ホワイトの連絡先をのこしていたため、ボンドはホワイトをみつけだし、狙撃したところで、前作は終わっている。
んじゃ、けっきょく誘拐されたウェスパーの恋人はどうなったのか? 状況から鑑みて、ぶじ解放されたとは考えにくく、なぜ彼女は恋人を捨ててボンドと楽しくつきあっていられたのか? なんかモヤモヤ~っとした不自然なおもいがのこったまま終わるのだが、本作でそれらの謎がうまく解き明かされている。
敵の追っ手を振り切って、基地に戻り、ボンドは捕獲したホワイトの尋問を始める。以後の筋をのべるのは控えるが、ここからの展開が早い早い。よぶんな説明はなく、しかもアクションてんこ盛り。シリーズ最短の上映時間らしいが、短さは感じない。いつもならQ(もしくはR)とかマネーペニーとかとやりあってる時間が省略され、それだけ物語が濃縮されているのだ。
面白いのは、ボンドと、同じ心の傷を持つ美女カミーユが愛しあわないこと。ふたりは接吻を一度かわしただけで別れてしまう。これはいままでになかったことだろう。本作はボンドが愛した女(ウェスパー)を忘れるまでの物語なのだ。
もうひとつは悪役グリーンが環境危機を訴える慈善事業家として描かれていること。かつての「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」では、自然破壊を憂い、人類滅亡を企てる真性エコロジストの悪役が登場したが、ここでは環境を売り物にする偽善エコロジストが糾弾されているわけだ。
しかし、いくぶん物足りなさを感じるのもたしかだ。というのも、アクションがなんか観たことあるものが多いせいだろう。「ドクターノオ」「ゴールドフィンガー」の場面が再現されていたり、ほかにもシリーズへの追憶とおぼしき場面が散見されるけど、だけでなく、ボーン物とか、M:I物とか、ジャッキーチェンの警察故事集(ポリスストーリー)のアクションそのままだったりするのだ。80年代の作品では、飛行機やヘリコプターの外にボンドがしがみついたり、刺激的なアクションがつめこまれていて、007映画でしか味わえない悦びが堪能できたのだが、今回では、改装中の教会での、足場と綱と滑車をつかった肉弾戦が素晴らしいぐらいか。それにしても、前にも書いたことだが、最近のアクション映画はめまぐるしいショット転換ばかりで、画面内の動きを捉えきれず、生理的興奮を覚えさせないことが多い。戦闘機と貨物機の空中戦にもっと工夫をこらして欲しかった。それでもブロスナン主演作にくらべればはるかに出来はよく、85点以上はあげていい(何様だ)。
しかしまだ敵の全貌ははっきりしない。近頃はやりの三部作構成になっていて、次回で全面対決になるのだろうか。『キネマ旬報』によればダニエルクレイグはあと二本007の出演契約してるという。オイラはこの路線を歓迎するが、新兵器やおなじみの面子が出てこないと寂しいという人も多かろう。よもや、敵の組織がじつはスペクターで、ドクターノオのお話に戻り、シリーズは完結する、なんてオチではあるまいな。
かくして、今日も正義は、ジェームズボンドによって守られた。
公開迫る「007慰めの報酬」だが、007フリークの私はもう待ちきれず、我慢の限界に達し、先行上映があるときいて矢も盾も堪らず、ポコチン丸出しで劇場へ駆けつけたのだった。
前作「カジノロワイヤル」はシリーズ屈指の傑作といっていいほどだったが、問題が二つあった。ひとつは、白人はアフリカ人をどう扱ってもいいといわんばかりに、爆弾犯だろうが、反政府軍人だろうが、大使館駐在兵だろうが、一般人だろうが殺しまくるアパルトヘイトな姿勢。いまひとつはボンドと将来を誓いあったウェスパーリンドを、どんでん返しのために二重の背信者と設定したことだ。
ウェスパーは恋人を誘拐され、脅迫を受け、ボンドの情報を敵ルシッフルに漏洩する。ルシッフルが死んだあとまた今度はボンドを救うため、背後にある別の巨大な悪の組織に金を渡し、自殺する。しかし、彼女が最後のメッセージとして黒幕ホワイトの連絡先をのこしていたため、ボンドはホワイトをみつけだし、狙撃したところで、前作は終わっている。
んじゃ、けっきょく誘拐されたウェスパーの恋人はどうなったのか? 状況から鑑みて、ぶじ解放されたとは考えにくく、なぜ彼女は恋人を捨ててボンドと楽しくつきあっていられたのか? なんかモヤモヤ~っとした不自然なおもいがのこったまま終わるのだが、本作でそれらの謎がうまく解き明かされている。
敵の追っ手を振り切って、基地に戻り、ボンドは捕獲したホワイトの尋問を始める。以後の筋をのべるのは控えるが、ここからの展開が早い早い。よぶんな説明はなく、しかもアクションてんこ盛り。シリーズ最短の上映時間らしいが、短さは感じない。いつもならQ(もしくはR)とかマネーペニーとかとやりあってる時間が省略され、それだけ物語が濃縮されているのだ。
面白いのは、ボンドと、同じ心の傷を持つ美女カミーユが愛しあわないこと。ふたりは接吻を一度かわしただけで別れてしまう。これはいままでになかったことだろう。本作はボンドが愛した女(ウェスパー)を忘れるまでの物語なのだ。
もうひとつは悪役グリーンが環境危機を訴える慈善事業家として描かれていること。かつての「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」では、自然破壊を憂い、人類滅亡を企てる真性エコロジストの悪役が登場したが、ここでは環境を売り物にする偽善エコロジストが糾弾されているわけだ。
しかし、いくぶん物足りなさを感じるのもたしかだ。というのも、アクションがなんか観たことあるものが多いせいだろう。「ドクターノオ」「ゴールドフィンガー」の場面が再現されていたり、ほかにもシリーズへの追憶とおぼしき場面が散見されるけど、だけでなく、ボーン物とか、M:I物とか、ジャッキーチェンの警察故事集(ポリスストーリー)のアクションそのままだったりするのだ。80年代の作品では、飛行機やヘリコプターの外にボンドがしがみついたり、刺激的なアクションがつめこまれていて、007映画でしか味わえない悦びが堪能できたのだが、今回では、改装中の教会での、足場と綱と滑車をつかった肉弾戦が素晴らしいぐらいか。それにしても、前にも書いたことだが、最近のアクション映画はめまぐるしいショット転換ばかりで、画面内の動きを捉えきれず、生理的興奮を覚えさせないことが多い。戦闘機と貨物機の空中戦にもっと工夫をこらして欲しかった。それでもブロスナン主演作にくらべればはるかに出来はよく、85点以上はあげていい(何様だ)。
しかしまだ敵の全貌ははっきりしない。近頃はやりの三部作構成になっていて、次回で全面対決になるのだろうか。『キネマ旬報』によればダニエルクレイグはあと二本007の出演契約してるという。オイラはこの路線を歓迎するが、新兵器やおなじみの面子が出てこないと寂しいという人も多かろう。よもや、敵の組織がじつはスペクターで、ドクターノオのお話に戻り、シリーズは完結する、なんてオチではあるまいな。
かくして、今日も正義は、ジェームズボンドによって守られた。
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良かったけど前作が非 ...
007慰めの報酬を改 ...
自分が自分であること ...

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この記事へのコメント
>>矢も盾も堪らず、ポコチン丸出しで劇場へ駆けつけたのだった。
私は、このような表現が大好きなので、思わずコメントしました^^;